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キャラクターシート1

 

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『第1章』

僕は怒っていた。それは、何故か。このよくわからない白い部屋に閉じ込められて、その経緯を覚えてもいないし、教えてもくれないことに怒っているのか。それとも、脱出条件やら殺人報酬やらと、まるで映画の真似事のような状況に怒っているのか。否、僕の怒りはこのどれにも該当しなかった。僕は自分でも信じられないほど、『慎一』という人間に憎悪を抱いていた。

 

僕は悟、18歳。どこにでもいる男子高校生。名前を何故か思い出せないが、やかましい幼馴染が毎日ように起こしにくる。休日になっても、朝になったら起こされ、ゲームなどをして休日を過ごす。鬱陶しくもあり、楽しくもある日常を送っていた。はずだった。

僕はここ1ヶ月ほどの記憶が抜け落ちていた。気が付いた時には病院のベッドの上にいて、やかましい幼馴染もお見舞いに来ることはなかった。そんな退屈で、怠惰な日々を送っていた時、気づけばこの白い部屋にいた。よくわからない状況なのにもかかわらず、僕の心は静かだった。最初は少し驚いたが、装置のアナウンスを聞いて何故か、この状況を受け入れていた。それは他も同じようで、説明が終わった後で、慌てふためいているやつは一人もいなかった。おそらく全員が訳ありなのだろう。それは、僕もその一人だからだ。

 

「とりあえず、各々の部屋があるんだから、何か脱出の手がかりになる物がないか探してみないか?」と提案する男がいた。その声の主に対して、「賛成!」という声をあげる女。その二人を視界に捉えた僕は、湧き上がる怒りを抑えられないほど、心が激怒していた。女ではない、男の方だ。名前は『慎一』だったか。その男を認識した僕の心は、殺人をしてもいいとまで思ってしまった。でも、今は駄目だ。怒りに身をまかせて殺してしまえば、ただのサイコパスだ。だから、今はやめよう。この感情の正体がわかるまでは。

 

『慎一』の意見に声をあげずに、僕は自分の部屋へと向かった。何か脱出の手がかりになりそうな物だけを手に取った。『慎一』と出来るだけを会いたくない僕は、少し部屋で時間を潰し、程なくして部屋を出た。

 

部屋を出た頃には、全員が集合していた。そこで、まだ車椅子のやつがいないなと考えていると、アナウンスが鳴り響く。「それでは話し合いを始めてください」

脱出も殺人もどうでもいい。僕は、『慎一』に向けるこのどす黒い感情が何なのかを知りたいだけだ。

 

【部屋で見つけた情報】

・CHファイル No.41「由紀」

そこには活発そうな女子高校生の写真とともに、説明書きが書かれていたようだったが、全て黒線で塗り潰されている。


 

【行動指針】

・自分が持つ情報をできるだけ公開し、脱出方法を探る。

・『慎一』へ怒りを持っているという情報を喋らないようにする。

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