沙織
キャラクターシート1
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『第1章』
何故、私はこの白い部屋にいるのだろう。何故、ここに来るまでのことを何も覚えていないのだろう。それだけでもパニックになりそうなのに、中央の大きな装置にくっついているモニターに映し出された殺人の項目。何がなんだかわからない。けど、不思議と心は落ち着いていった。それは自己紹介で『慎一』と名乗った人を認識してからだ。何故だろうか、私よりも冷静な彼を見て、守ってあげないといけないと思った。
私は沙織、17歳。ピチピチのJKというやつだ。人に自慢できるような才能なんてないけど、私はとっても運がいい。些細なことから、大きなことまで色々ある。けど、私が一番自慢できることがあるとすれば、1名様限定商品を当てた時だろうか。常日頃から、自分は運が良いと思っていたけど、まさかここまでとはと、その時は優越感に浸りきっていた。
でも、この白い部屋に閉じ込められて、運が良いだなんて言えない。
みんな、この状況で押し黙っていると、『慎一』が、
「とりあえず、各々の部屋があるんだから、何か脱出の手がかりになる物がないか探してみないか?」と提案してくれた。
私は考えるより前に「賛成!」と大きな声を出してしまったが、みんな押し黙ったまま頷いて、それぞれの部屋の前に行った。恥ずかしい…。
私は『サオリ』と書かれた部屋に入った。手がかりになるような物が何かわからないけど、部屋を出た。
まだみんな散策を続けているのか、いたのは『愛衣』だけだった。中央の装置の前に立っていた『愛衣』が私に気づいたのか、酷く慌てていた。見るからに怪しかったけど、とりあえず「何かわかりました?」と聞いてみた。私なりに言葉に圧を乗せて。すると、「実は、ここに電話ボックスみたいのがあったから入ったんですけど、よくわかんなくて。沙織さんも入れば、何かわかるかもしれません」とすんなりと白状した。確認して見ると、確かに装置の横に黒い電話ボックスみたいなのがあった。彼女だけが入ったことを集まってからみんなに報告してもいいけど、少しでも早く脱出したい。意を決して、私は黒いボックスの中に入った。
【ボックス内】
いつも泣いていると、手を引いてくれる幼馴染がいた。どんな時でも、私の傍にいてくれる。慎一は私にとって、ヒーローだった。
でも、それは小さい時だけの話。慎一は次第に、私のことを避けるようになった。小さい時からの付き合いだったこともあり、おばさんは心良く家に入れてくれた。
慎一の部屋に入ると、いつもテレビを見ていた。内容はとても胸糞悪いもので、最後には必ず泣きながら誰かが殺されていた。何ヶ月か経ったある日、いつもと同じように「これ結局何の番組なの?」と聞くと、今日だけは教えてくれた。
番組名は言わなかったけど、内容は5人の少年少女たちが舞台からの脱出を目指す中、殺人が起こってしまい、4人の中からたった一人の犯人を見つけ出すという内容らしい。もちろん、殺人は起きず、脱出だけの回もあるらしいが、それは不評なのに何故やるのかと慎一がよくぼやいていた。教えてくれてありがとうと伝えると、これが最後だからと慎一は言った。よくわからないけど、久しぶりに話せて、私は満足だった。
次の日、慎一はいなくなっていた。おばさんに聞いても、素っ気なく知らないと言われた。息子がいなくなったのに、なんで平気なのかと怒りたい気持ちを我慢して、私は慎一を探した。でも結局、慎一は見つからなかった。
ある日、誰もいない慎一の部屋にいって、彼が見ていた番組を見ることにした。自動で録画され続けていたので、流し見していると、驚く光景が眼前にあった。何故なら、番組の中に慎一がいたからだ。
それからの展開は早かった。私はインターネットやSNSを使って、ある人物と接触することができた。番組の関係者を名乗る男だ。慎一はいるのかと尋ねたところ、不敵な笑みだけを返してきた。「本当によろしいですか?」という最後通告にYESを返して、私は慎一の元へと向かった。
ボックスを出ると、『愛衣』が待っており、その後続々とみんなが集合する。アナウンスにより、話し合いを促される。ボックス内で見たものは、確かな記憶だ。全てを言ってしまうと、私と『慎一』が疑われた際に、共謀だと思われるかもしれない。だから、『慎一』の名前は伏せて、ボックスで起きたことを伝えよう。全ては、『慎一』と生きてここを抜け出すため。
【部屋で見つけた情報】
・案内書「装置について 1」
メインルームに設置されている装置には、様々な情報閲覧が可能となっており、脱出条件や殺人報酬なども確認することができる。詳細は、案内書「装置について2」にて記載。
・案内書「部屋の名称について」
本施設の入り口となる大部屋はメインルームと呼ばれている。逆に出口となる大部屋はブレイクアウトルームと呼ばれている。そして、メインルームに隣接した個人部屋はサブルームと呼ばれている。
・案内書「隠し扉について」
白い壁紙で隠されているが、サブルームにはそれぞれもう一つの扉が用意されています。
【行動指針】
・自分が持つ情報をできるだけ公開し、脱出方法を探る。
・ボックス内での出来事について、『慎一』のことを伏せて喋ろう。