沙織
キャラクターシート2
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『第2章』
ボックスの中で見た景色。あれは私の記憶だ。とても大切なことを私は忘れていた。私は『慎一』を連れ戻すためにここにいる。例え連れ戻すため殺人が必要なのだとしたら、私はやってみせると震える身体も言い聞かせた。
厨二臭い魔法陣が地面に描かれた部屋。そこの机に置いてあったタブレットで、私のスタート地点は決まった。指定された場所は『九-2』。図で見た感じだと、かなり端のようだった。部屋の移動が始めるまで、部屋の中を見て回ると、部屋の端に傘のように立てかけられたライフル銃が置かれていた。殺人する気などない。でも、もしもの時があるかもしれない。私は猟銃を手に取り、ワープ装置と言われた魔法陣の上に乗り、指定された部屋へと移動した。
・1回目の移動時間(移動先:七-3)『初期地点:九-2』
【移動先の他選択肢:七-1】初期地点から1回目の移動。アナウンスで5分間の待機が命じられた。ルールによれば、5分間他の人よりも先に移動できる先行捜索タイムというのがあり、私は今回の番ではなかったらしい。5分経過して移動する時間になり、タブレットを開くと、選択肢が二つあった。『七-1』と『七-3』と書いていて、私は何となく後者を選んだ。ワープ装置で移動すると、ルール通り前後左右の扉、『六-3』『七-2』『七-4』『八-3』が開かれた。ルールに書いていた上下左右というの
は、スクリーンに表示されたマップ的にも、上から見た図みたいだ。
一通り、ルールを理解できたところで、私は捜索できる範囲で手掛かりを探した。でも、先行捜索タイムとは何のためにあるんだろう。思いつくとすれば、人と接触したくない時くらいしか使い道が無いようなということを考えながら。
・2回目の移動時間(移動先:五-4)
【移動先の他選択肢:五-2】また待機時間だと思っていると、どうやら私の先行優先タイムの番が来たみたいだ。私は『五-4』を選んで移動した。誰よりも先に次に行けるというのは少し気持ちが良かった。15分でしていた捜索を、20分も与えられては時間が余るんじゃないかと考えていると、既に5分が経過していた。すると、後ろの方から扉の開くような音がした。後ろを見ても誰もいないので、気のせいかと思っていると、突然『慎一』が声をかけてきた。私は咄嗟に、持っていたライフル銃を隠して
しまった。別に後ろめたい気持ちが全くないといえば嘘になるけど、突然だったから条件反射というやつでつい隠してしまった。『慎一』には隠し事なんてしたくない。私は言おうか迷ったけど、『慎一』は何も気づいていない様子だった。それよりも、ここまでどうやって来たかの情報交換を持ちかけて来た。それに関しては私も知りたかったことだから、私は了承した。『慎一』の初期地点は『七-5』で、私と違って1部屋ずつ移動しかできないみたいだった。
私も『慎一』に移動経緯を話した後、部屋が2部屋分開いていることについて話したけど、出た結論としては単純なものだった。私と『慎一』のそれぞれの捜索できる範囲があり、偶然にも隣同士になったために起こった現象ということ。別に『慎一』側で開いた場所に入ってはいけないというルールはなかったため、私は『慎一』と一緒に、お互いの開いた部屋を捜索した。
・3回目の移動時間(移動先:三-3)
【移動先の他選択肢:三-5 次回より、成る】
2回目で先行捜索タイムが来たけど、3回目はどうなるのかと思ったけど、やはり来なかった。ルール通りなら、私が次に来るのは6回目っていうことになるけど、車椅子の人はこの中に含まれていないのかなという疑問が生まれた。そもそもあれから姿を見せてないし、どこに行ったか気になる。するとアナウンスがなり、5分が経過していたことに気づいた。思ったよりも、5分というのは早いらしい。私は次に行く場所『三-3』を選んで、捜索を始めた。
・4回目の移動時間(移動先:二-3)
【移動先の他選択肢:二-2、二-4、三-2、三-4、四-3】
5分間の待機時間。その後の部屋移動の選択時間で、私は驚いた。さっきまで2択だったのに、移動できる選択肢が6択になっていた。変化したことでメリットもあれば、デメリットもあった。メリットは行ける方向が増えたこと。デメリットはほぼ2部屋進めていたのに、1部屋しか進めなくなっていること。でも、その2つの要素を比較しても、行ける場所が増えたことは嬉しいことだ。これでゴールまでの道が一歩近づいた。私は迷いに迷っ
たが、『二-3』を選択した。
私は運が良い方ではないと、自分でそう思い込んでいたみたいだ。私はゴールとなるブレイクアウトルームに到着した。『二-3』がゴールではなく、ここに来たことで開いた扉の先、『二-2』がゴールとなる部屋のようだ。中に入ろうとしたけど、一番最初に私の目に留まったのは説明で受けたメインルームと同じ装置、それよりもその部屋には車椅子の人物が、私に背後を向けた状態で静止していたことだった。そして、装置は私がいる『二-3』ではなく、『三-2』の方を向いている。最初の手掛か
りで装置に付いている監視カメラは180度しか見えないから、私の位置は見えない。加えて、背後を向けている車椅子の人物。このお膳立てでもされたかのような状況で、私は馬鹿なことを考えていた。監視カメラにも映らず、誰もいない状況なら、殺人を犯したとしてもバレない。それにここでこの人を殺して、バレなければ、お願いで『慎一』の脱出を叶えてもらえば、二人でここを出られる。そんな衝動的な思いで、私はライフル銃を車椅子の人物に向けて構えた。震えて標準が安定しないけど、止まっている相手になら撃てる。そう思って、私は引き金を引いた。すると、耳に響くような銃声とともに、奥の方から爆発音がして部屋一帯が真っ暗になった。暗くなる直前で、私は『二-1』の扉が開いていることに気づいてしまった。私は慌ててブレイクアウトルームに向けて、ライフル銃を投げ捨てた。
暗闇の中で、私は銃を撃っているところを見られたと思って、震えが止まらなかった。私の目線では、誰もいなかった。もしかしたら、違う部屋に行っていたのかもしれないけど、ゴールの部屋に来て、他の部屋を探す人はいないだろう。私はどうにかして隠れないといけないという考えしかできずに、部屋の隅に隠れて捜索時間が終わるのを待ち続けた。すると、4回目の捜索時間は停電により流れたというアナウンスが流れ、扉は閉まって行った。
・5回目の移動時間(移動先:二-4)
【移動先の他選択肢:一-2、一-3、一-4、二-2、三-3】5分間の待機時間。もし、次の移動で誰かに会ったとしても、大丈夫なように気持ちを落ち着かせる時間にしよう。でも、私の運はどこまでいっても最悪だった。『三-3』の扉が開き、そこには『悟』が立っていた。恐らく、5回目の先行捜索タイムは『悟』だろうということはわかったけど、問題はそこじゃない。今の私を見れば、誰だって思うだろう。何かあったに違いないって。それを聞かれるのが怖くて、問い詰められることが怖くて、
『悟』が何かを言う前に、私は咄嗟に「違うの、私は何もやっていないの」と言葉が出てしまった。『悟』は私のことなど気にしていない素振りで違う部屋へと入って行った。これではまるで、自分が何かをやったと言っているようなもの。『悟』もすでにブレイクアウトルームに辿り着いて、惨状を目撃し、私を犯人だと断定すると思う。だって、実際に銃を撃って殺したかもしれないのは私だ。早くこの空間が抜け出したいと思えば思うほど、5分という時間はとてつもなく長く感じた。
5分が経過し、私は急いでワープ装置の上に乗り、ブレイクアウトルームからも『悟』からも逃れたくて、『二-4』を選び、移動した。やっと安息できると思ったのも束の間、隣の扉『二-5』が開いた。そこにいたのは『慎一』だった。私は壁に突っ伏して、顔を見られないようにした。今の私はまだ、さっきと同じように酷い顔をしているに違いない。後悔の念が顔に出てしまっているんだ。何も言って来ず、様子を伺っている『慎一』をちらっと見て、『悟』の時と同じで何か言われるのが怖かった。だから、『慎一』が話して来る前に、「大丈夫です。ちょっと疲れただけですから」と言った。丸わかりな嘘で滑稽と思うかもしれないけど、今の私にはこれが限界だ。すると、『慎一』はどこにいたのかと聞いて来た。答えられない。答えてしまっては、この全8回の捜索時間が終わって、事実を知った時、私を犯人と思うかもしれないから。私は『慎一』だけには、犯人扱いされたくない。もしそんな目を向けられれば、私は壊れてしまうかもしれない。
何も答えずにいると、『慎一』は現時点での移動方法について聞いて来た。『慎一』はもうこの話を追求する気がないように、私に次はどこに行けるのかなどを聞いて来た。私はとりあえず、その話は別にしても大丈夫と思い、『慎一』に話した。『慎一』も同じく、自分の今の移動方法や、次にどこに行けるのかなどを教えてくれた。
『慎一』はそれを聞いて、なるべく行っていない部屋を調べて欲しいと提案して来た。私はそれを聞いて、自分の浅はかさに泣きたくなった。『慎一』は脱出することを諦めず「みんなで脱出しよう」と言った。その言葉に、自分が殺人をして、『慎一』と自分の二人だけが助かることしか考えていなかった。そこで少し吹っ切れることができた。ゴールの場所を伝えて、私は罪を認めて、私以外のみんなに脱出してもらう。それが最善だろうけど、私も最後までのほんのわずかな時間でも彼に協力したいと思い、『慎一』の意見を了承した。私が車椅子の人が死んだところを、停電で見ることができなかったのだから、もしかしたら死んでいないかもしれないという淡い希望を抱きながら。
・6回目の移動時間(移動先:三-4)
【移動先の他選択肢:一-3、一-4、一-5、二-3、二-5】
『慎一』と別れて、私は先行捜索タイムに入った。ゴール以外で私が見ていない部屋。『慎一』が左側を見ると言っていたから、私は少しでも部屋を散策できるよう選んだのは『三-4』。特に先行捜索タイムに意味はなかったけど、今は手掛かりを集めることにした。でも不思議に思うのが、ゴールまでの手掛かりはあまりないのに、個人情報が書かれたファイルや、凶器についてなどの手掛かりばかり出てくるのだろうかと疑問に思った。すると、近くの部屋からだろうか。ライフル銃と似ているが、それよりも軽い音が鳴り響いた。
・7回目の移動時間(移動先:四-4)
【移動先の他選択肢:二-3、二-4、二-5、三-3、三-5】
5分間の待機時間の後の捜索時間。まだ2時間くらいしか経っていないと思うけど、この行動が少しだけ自分の中でルーティーンのようになっていた。横軸の4、5、6の列は『慎一』が調べた後だろうから、私が調べるのは横軸の3の列。捜索は実質1部屋だけだけど、何かあるかもしれないと思って、時間いっぱいを使って探した。
・8回目の移動時間(移動先:五-4)
【移動先の他選択肢:三-3、三-4、三-5、四-3、四-5】5分の待機時間の後、選んだのは『五-4』。図で見るなら、このまま下の方に進んでいこうと思い、そこを選んだ。すると、今度は隣接した『五-3』の奥の『五-2』が開こうとしていた。1部屋挟んでも、このようになるのかと思っていると、そこから顔を出したのは『悟』だった。さっきのこともあって、私は少しこの場に居辛い空気感だった。でも私にとって、捜索して意味があるのは『五-3』だけ。私は勇気を持って、部屋に入って、手掛かり
を探した。すると、『悟』とほぼ同じタイミングで見つけたのか、二人して同じ紙に手を伸ばしていた。私は遠慮しようと下がると、『悟』は捜索部屋で見つけたんだから、二人で見ればいいと促して来た。そして、その紙に書かれていることを見た時、『悟』は絶句していた。その紙には、No.41や昇降機などと書かれていた。けど、一番気になったのはその後の文だけど、正直私にはどういった手掛かりなのかわからなかった。
そこで、捜索時間の終わりを告げるアナウンスが流れた。
『全8回、2時間40分の捜索は終了となります。そこから元の部屋へと繋げるので、少々お待ちください。メインルームに戻り次第報告を行い、どこがゴールとなる部屋なのかを当ててもらうことになります』と告げられた。最後まで『悟』が紙の内容を見て固まっていたのが、少々気になりながらも、犯人として吊し上げられる覚悟を胸に、アナウンスの次の指示を待った。
【部屋で見つけた情報】
・手掛かり「サブルーム奥の隠し部屋」
そこには殺傷能力が極めて高そうな猟銃、ライフル銃が置かれていた。
・手掛かり「2つの異なるヒント」
それぞれ別々の場所で見つかったものだが、類似点がある。それは最初の部屋の扉の前にあった名札だった。
見つけた名札:『アイ♥︎』『サトル♣︎』
・手掛かり「凶器について」
『♠︎が保有する凶器は、小銃(ハンドガン)である』
『♣︎が保有する凶器は、サバイバルナイフである』と書かれた2つの紙。
・手掛かり「ブラックボックスについて1」
『最初に入った1人目は外部との連絡が可能になる』と書かれている。続きは「ブラックボックスについて2」にて記載。
・CHファイル No.41「由紀」原本
『Role1として参加。No.43に犯人として処刑された。次回において、被害者のRoleとして参加予定』と書かれている。そして、とても小さい文字が端の方に書かれていた。まるで、隠すように。その内容は『悟の復讐心は間違っている。処刑執行人は、犯人探しに最も貢献した者だからだ』と書かれている。
・CHファイル No.47「愛衣」
『本番組の熱狂的ファンとして採用。どのようなRoleになろうと上手く立ち回ることを期待』と書かれている。
・手掛かり「『五-3』で見つけた紙」
『ブレイクアウトルームの捜索が始まるまでに、元No.41を昇降機でブレイクアウトルームまで移送しておくように』と書かれている。
沙織の行動まとめ(キャラの行動確認はこちらを参照ください)
・9×9部屋入出前
隠し部屋に置かれていたライフル銃を持って、ワープ装置に乗った。初期地点となる部屋は『九-2』。
・1回目の移動時間
初期地点からの移動を開始。移動先は『七-3』。移動先の候補は他に『七-1』があった。
・2回目の移動時間
移動先は『五-4』。移動先の他候補は『五-2』。先行捜索タイムがあり、5分待たずして捜索を始める。『五-5』にいた慎一と遭遇。持っていたライフル銃を咄嗟に隠した。気づかれたかは不明。慎一から情報交換を持ちかけられ、承諾した。慎一の初期地点は『七-5』、1回目は『六-5』のようで、先行捜索タイムはまだ来ていないらしい。
・3回目の移動時間
移動先は『三-3』。移動先の他候補は『三-5』で、タブレットに『次回より、成る』と記されていた。
・4回目の移動時間
移動先は『二-3』。移動先の候補が2つから6つに増えていた。隣接した部屋である『二-2』がゴールとなるブレイクアウトルームだった。そこには車椅子の人物がおり、こちらに背を向けていた。衝動的に持っていたライフル銃で車椅子の人物を撃った。監視カメラに映らないために『二-3』の部屋から。撃ったと同時に奥の方で爆発音がし、停電になるが、その直前で『二-1』の扉が開いていることを目にする。咄嗟にブレイクアウトルームへライフル銃を投げ捨てた。停電については、復旧に少々時間がかかり、4回目の捜索は行えないとのことだった。
・5回目の移動時間
その5分間の待ち時間で、先行捜索タイムを与えられた悟が『三-3』に到着したのか、沙織がいる『二-3』の扉も開いた。5分を終え、ワープ装置に乗る。
移動先は『二-4』。移動先の候補は6つのままだった。『二-5』にいた慎一と遭遇。再び情報交換を持ちかけられ、承諾した。慎一は4回目に『三-5』に着いて以降、移動方法に変化が現れ、次に行ける部屋は『一-4』『一-5』『一-6』『二-4』『二-6』『三-5』と6つ候補があるそうだ。
・6回目の移動時間
移動先は『三-4』。先行捜索タイムがあり、5分待たずして捜索を始める。捜索中、自分が撃ったライフル銃よりも軽い音の銃声が鳴り響いていた。
・7回目の移動時間
移動先は『四-4』。
・8回目の移動時間
移動先は『五-4』。捜索範囲の扉が開いていく中、『五-2』にいた悟と遭遇。『五-3』にて悟と手掛かりを発見するが、その内容を見て悟の様子がおかしいことに気づく。そこでアナウンスが流れ、捜索の終了が告げられる。
沙織移動 まとめ