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​【エンディング6】

最後の延長時間まで票は割れ続け、犯人が誰なのかを指名することができなかった。『慎一』と『沙織』サイド。『悟』と『愛衣』サイドで意見が分かれてしまったのだから無理もない。この結果が、次のどう繋がるのか。アナウンスの指示を待っていると、装置から凶器とされていた自動小銃、四人分が排出された。それぞれの足元にちょうどよく落ちたため、皆がそれを拾い上げると、アナウンスはこう告げた。

 

『犯人の指名が行わなかったため、これよりサドンデスを開始します。それぞれ、お手元の凶器を使い、最後の一人になるまで殺し合いをしてもらい、その最後の一人には脱出の権利が与えられます。最後の一人になるまで行われますので、そうならない場合はこの場で食料も飲料もなく過ごしてもらうことになります。それでは、どうぞ』

 

誰もがそのアナウンスを理解できなかった。だが、真っ先に理解した『愛衣』はその銃口を『悟』に向け、トリガーを引いた。その不意の一撃に為す術なく『悟』は絶命し、次の標的と言わんばかりに『慎一』と『沙織』に銃口が向けられる。

『慎一』は『沙織』を庇い、装置を盾に身を隠した。そして、一歩ずつ歩み寄ってくる『愛衣』、隠れる場所もなく撃ってこいと言っているような『愛衣』を『慎一』は一撃で撃ち殺した。

 

そこはまるで、戦場だ。ミステリーのような雰囲気も崩壊し、何もかもが理解不能だ。生き残った『慎一』と『沙織』は見つめ合い、一つの結論へと至った。それは、お互いでお互い撃って終わらせるのか、それとも餓死するまでこの時間を過ごすのか、それとも第三の違った選択を選ぶのか、それは誰にもわからない。

 

END

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