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​【エンディング2】

投票の結果、犯人として指名されたのは『沙織』だった。現場の証拠品などから『慎一』が犯人という線が一番濃厚ではあったものの、本人が殺人を自供したため『沙織』が犯人という形で幕を閉じた。

 

「沙織、今からでも違うって言ってくれないか…。自分は何もやってない、犯人なんかじゃないって…!」

「ごめんなさい。でもこれで、あなたは家に帰れる。ここからあなたを連れ戻すのが、私の目的だったから」

 

現実を受け入れられない『慎一』と、現実を真摯に受け入れる『沙織』。二人の最後の時間はタイムリミットを迎えたと言わんばかりに、部屋中にアナウンスが響き渡る。

 

『犯人の指名が終了しました。立候補者がいる場合は、その場にある凶器の中からご自由に選んでいただき、処刑を行ってもらいます。いない場合は、こちらがランダムで選んだ方に実行していただくこととなります』

 

すると、『沙織』は徐に立ち上がり、現場に残されていた凶器である自動小銃を手に取り、『慎一』に差し出した。

 

「殺される相手くらいは選びたいから。これを受け取って」

「まだ何かあるはずなんだ。絶対に、君が犯人じゃない証拠が…」

「私が死なない限り、この場は納まらない。もし、私が死なないせいでみんなが危ない目に合うのも嫌。だから、お願い」

 

『沙織』は『慎一』に銃を握らせ、その腕を上げて、涙を浮かべながら自分の額へと銃を押し当てさせた。そして、『慎一』の手を握り、目を閉じた。『慎一』も覚悟を決め、トリガーを引いた。

 

崩れ落ちる『沙織』を抱き締める『慎一』。その『慎一』を睨みつけ、どこか不完全燃焼さを見せる『悟』と、装置をただ見つめる『愛衣』。すると、再びアナウンスは流れる。

 

『今回、処刑された沙織は、見事犯人でした。みんなが協力したおかげで、無事犯人を見つけることができました。それでは、出口を開きますので、しばらくお待ちを』

 

「へぇ、そういう展開になるんだ。残念だったね、悟。あいつらはまだ、慎一を使い潰したいみたいだよ」

「僕はもう降りるよ。僕と同じ痛みを味あわせられたんだ。由紀へと良い土産話になるよ」

 

泣き崩れる『慎一』に二人の会話は聞こえることはない。その後、『慎一』は『沙織』の死体から引き離され、『沙織』以外は脱出成功という形で、ゲームは終了した。

 

『それでは、今回の『Quad Joker’s Game』はここまで。慎一くんには、まだまだ活躍してもらいますので、彼の今後の活躍にご期待ください。それでは、また来月もお楽しみに〜』

 

END

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