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​【エンディング1】

投票の結果、犯人として指名されたのは『慎一』だった。現場の証拠の数々、そのほとんどが『慎一』が所有していた物なのだから、弁解の余地など全くない状況だった。

 

「違う、俺は犯人じゃない! みんなもわかってるだろ!?」

 

必死に訴える『慎一』の叫びも虚しく、非情にもここで死を告げるアナウンスが響き渡る。

 

『犯人の指名が終了しました。立候補者がいる場合は、その場にある凶器の中からご自由に選んでいただき、処刑を行ってもらいます。いない場合は、こちらがランダムで選んだ方に実行していただくこととなります』

 

そのアナウンスを聞き、誰よりも先に前に出て、誰よりも先にこの事件の凶器として扱われた自動小銃を手に取ったのは『悟』だった。蹲る『慎一』を見下ろしながら、手に取った銃を構えた。

 

「最後に言い残すことはあるか?」

「お前が、俺を嵌めたのか?」

「始めたのはお前だよ。由紀を殺されたあの日から、お前のことを忘れた日はなかった」

「由紀って、証拠にあった…」

 

『慎一』が『悟』を見上げたその瞬間、銃弾は『慎一』の額を直撃していた。『慎一』はピクリとも動くことなく、絶命していた。その死体を目の当たりにし、『沙織』が泣き崩れるのを見て、更に高揚感が高まる『悟』を見て、『愛衣』はクスクスと笑みを浮かべた。

 

「盛り上がってるとこ悪いんだけど、死ぬのはあんたも同じだよ」

 

すると、周囲の扉から銃を持った連中が現れ、3人に向けてそれぞれ銃を突きつけていた。

 

「どういうことだよ、愛衣?」

「どうもこうも、ルール通りじゃない。慎一は犯人じゃなかった。つまり、犯人以外はみんな処刑。そして、全員に銃が向いているってことは?」

「お前、最初から知っていたのか…?」

「じゃあね、哀れな復讐者さん」

 

『愛衣』が指を鳴らすと、合図と言わんばかりに一斉射撃が行われた。その場にいた『沙織』も『愛衣』も「悟」も。死体の原型が残らないほどに風穴を開けられ、ブレイクアウトルームは地獄と化していた。

 

『それでは、今回の『Quad Joker’s Game』はここまで。それでは、また来月もお楽しみに〜』

 

END

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