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​【一章】

話し合いをしていると、制限時間が来たのかアナウンスが流れた。結局、話し合いの中でわかった『沙織』が入手した情報、それぞれのサブルームの奥にある白い壁紙で覆われた隠し扉が次に進むためのものであると結論付けた。それは正しかったようで、アナウンスもみんなで出した意見と同じような内容だった。

 

だが、みんなとの話し合いで出てきた装置横にある黒いボックスのことや、車椅子の人物が部屋から出てこないこと、CHファイルというのが何なのかなどについては全く教えてはくれなかった。

 

そんな不完全燃焼が心に残った状態で、アナウンスが再び始まる。

 

『では皆様には、脱出のため、適切な順序を以って、出口となるブレイクアウトルームへ向かってもらいます。では、それぞれ各々の部屋に戻り、全員隠し部屋に入ったのを確認した後、謎を解いていただきます。隠し部屋の先の部屋に用意されているので、ぜひ皆で一丸となってゴールを目指しましょう』

 

そう言って、装置は再び電源を落とした。アナウンスは本当なのか、各々、自分の部屋へと戻り確認すると、確かに壁であった場所が扉になっており、そこは開門されていた。

そして、その先にある部屋へと向かった。

 

まるで、ゲームだなと皆がそう思いながら。

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